冨田さんが里芋を作り始めたのは約30年前。
しかし出荷を始めたのはつい5年ほど前のことだそうです。
「いよっこらとの出会いがあり、私も野菜生産者になりました」と話す冨田さん。
谷上山を望む里芋畑から、毎年秋が訪れる頃、とれたての里芋を出荷されています。
里芋にとっての天敵は雑草。周りの雑草が養分を吸ってしまうと里芋が十分に育たないそう。「思えば暑い日に草引きし、水やりをしたなあ。こんなに立派に育ってくれて嬉しいです」と冨田さんは今年の夏を振り返ります。
「またあの野菜を食べてみたい」と思ってもらえるような、おいしくて安全な野菜を買ってもらいたいという思いから、農薬は使わず日々のこまめな手入れで安心して食べられる野菜作りを心がけているそうです。
日々の天候にも大きく左右される野菜作り。今年は雨が多く、里芋の発育にとても良い影響があったということです。
冨田さんの作る里芋の品種は「伊予美人」、「セレベス」など。「伊予美人」は2006年に登場した愛媛発のブランド品種です。濃厚な甘みと、強い粘り気が特徴です。
愛媛と言えば「いもたき」ですが、どんなお料理にも使えるのが里芋のいいところ。冨田さんおすすめの食べ方は、ちらし寿司や炊き込みご飯などのご飯もの料理。寒くなる季節に温かい豚汁に入れても間違いなしです。またコロッケやサラダ、カレーにまで幅広く活躍できるそうです。
これからについて「体が動く限り生産を続けたいです。一緒に作れたら、と夫の退職を秘かに待っています」と話す冨田さん。
今年もいよっこらには冨田さんの作る里芋が並び始めています。